プロローグ

悪魔エイトペイン、デスゲイズに魂を刈り取られてしまった教皇ティベリウス。

その孫であるレオナルドは発作で身動きが出来ず、 消え去るデスゲイズをただ見過ごすだけだった。

地を這えずりながら、祖父のもとへ寄り添うが、もう遅かった。

まだ生きているのではないかと疑いを持ちながらも、なぜか祖父の持っていた理の杖が気になった。

生命力のある、若々しい新緑の気が立ち込める理の杖。

それを手にした瞬間、天から女神が舞い降りて、レオナルドに口づけを交わした。

理の杖たる女神は彼を適合者として心を許したのだ。

レオナルドの持病である喘息は静まり、祖父の死によって彼に権限が全て譲り渡された。

これまで無信仰であり、宗教を胡散臭いものとしか見なかった彼が、 たった一つの祖父の死が彼を理解させたのだ。


葬儀の日。白百合に囲まれて微笑みを浮かべるかのように眠るティベリウス。

リアリム教徒だけでなく、市民らも大勢集まり、彼の旅立ちを見送った。

深く哀しみを表す者もいたが、最も動揺するはずのレオナルドはそうでもなかった。

彼は全てを悟っているかのようで冷静であり、埋葬されてゆく時も無表情であった。

リアリム教伝統である埋葬法、神木葬。

大地に埋葬された後、その上に神木となる若木を植える。神聖な樹々は永遠に守られ続けるのだ。

後継者となったレオナルドは、経典を片手にもち、自然への還りの言葉を贈った。

「生命の輪廻が再び訪れるまで、安らかに自然の母とともにお眠りください」と。

その数日後、戴冠式が行われ、レオナルドは若くして教皇に即位するのだった。


レオナルドは不思議な夢を見た。

それは誰かに重要なことと強く意志を示すかのように、彼に呼びかけていた。

闇の中をさまよい続け、行き着いた先には扉があった。

彼よりも一回り大きい扉には、四つの何かが彫られていた。

これが一体何を示しているのか。

はじめは曖昧にしか受け止めなかったが、 同じ夢を繰り返し見るうちにその意味が分かってきた。

この扉を開けば、おじいちゃんに会えるような気がする。

彼は祖父の死を必然的に受け止めていたが、彼の人生を守ってくれた祖父への感謝と真心は正直だった。 夢に現れた扉はなんなのか。

どうすれば見つかるのか。 彼は世界訪問と同時にその謎を解明すべく、旅に向かうのだった。

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